• 淡い初恋の記憶…韓国のメロドラマ映画の興行史を書き直す『建築学概論』

  • 09.27.2013
  • 淡い初恋の記憶…韓国のメロドラマ映画の興行史を書き直す『建築学概論』
     
     

    展覧会(グループ名)が歌う「記憶の習作」をはじめ、映画の中に登場する小道具や大学生の文化。最近、90年代ブームを引き起こした映画『建築学概論』は、韓国のメロドラマ映画で過去最大の観客動員数を記録し、90年代の思い出をよみがえらせる繊細な演出で好評を博した。映画を観た人に、初恋の思い出とときめきをもう一度感じさせてくれる作品だ。とりわけ、この『建築学概論』は、イ・ヨンジュ監督が10年間温めて世に送り出した作品で、2009年の監督デビュー作『不信地獄』以来3年ぶりの演出作品となる。イ監督は、『建築学概論』で初恋の記憶と「建築」という新しい要素を組み合わせた。実際のところ、建築工学科を卒業したイ監督は、大学での専攻や建築事務所で働いた経験をもとに作品を描いている。では、映画『建築学概論』に登場したソウルの場所を訪ねてみよう。
     
     
    1 貞陵公園
     

     
    映画『建築学概論』で新人賞を受賞し、次世代主演候補として注目されるスジの名場面を挙げるとすれば、授業中に「貞陵(チョンヌン)は誰の陵墓か」という質問に、「チョン・ヤギョン?」などととんでもない答えを言って、客席をどっと笑わせたシーンを挙げたい。劇中、偶然貞陵公園で出会って、二人が親しくなったきっかけでもある。撮影当時、実際のところ、スジは貞陵が誰の陵墓なのか知らずに撮影したという後日談もある。
     
     
    貞陵は、史跡第208号に指定されており、朝鮮初代王である太祖の第2妃、神徳王后康氏の陵墓で、城北区貞陵洞に位置している。当初陵墓の地として選ばれたのは安岩洞だったが、整地を始める時に水が湧き出たため、現在の貞洞に陵墓を建てたという。
     
     
    貞陵は、緑の茂る5月から8月にかけて、最高の美しさを味わうことができる。チケット売場を通り、入り口へ入ると、映画に登場した貞陵案内図と大木が目に入る。映画の中で、大学生のスンミン(イ・ジェフン)がその木の写真を撮ろうと後ろに下がっていくと、ソヨン(スジ)がファインダーの中に入ってくるシーンがここで撮影された。この映画が公開されてから、貞陵は誰の陵墓なのかと気になる人も多いらしく、映画を思い出してここを訪れる客も大幅に増えたという。さらに、道に沿って進んでいくと、貞陵の散歩道の案内図がある。一周コースの距離は2.5Kmで、所要時間は50分程とあり、余裕を持って訪ねれば、都心の散歩道を楽しむことができる。
     
     
    <開場時間>
     
    夏季(03月~10月) 06:00~18:30 (入場券販売 06:00~17:30)
     
    冬季(11月~02月) 06:30~17:30 (入場券販売 06:30~16:30)
     
    入場料 :19歳~64歳 個人1,000ウォン 団体(10名以上)800ウォン
     
    問い合わせ : 貞陵管理所 82-2-914 -5133
     
     
    2 慶熙大学
     

     
    映画の中で、大学生のスンミン(イ・ジェフン)が、校内放送をするソヨン(スジ)の姿をそっと見るために立っていた場所は、慶熙大学の大学放送局(VOU、大学の声)だ。ここに来てみると、校舎から少し離れた森の中にこぢんまりとした建物が一軒建っている。そこには慶熙大学の放送局の歴史を感じさせる内装と数百枚に及ぶLPレコードがそのまま残っている。現在も放送中にLPレコードを使用しているそうで、大学放送の情趣がしみじみと感じられる。
     
     
    記事の作成のために訪問した4月、桜吹雪が舞う大学構内を歩いていると、まるで映画のシーンを見ているような気がする。劇中の位置描写から延世大学だとわかるように、監督の出身校の延世大学を舞台に物語が描かれているが、実際の撮影は慶熙大学で行われた。慶熙大学は、この映画で現在のソヨンを演じた女優、ハン・ガインさんの母校でもある。映画の後半に、過去のソヨンが学校の前でスンミンを待っているが、ソヨンを誤解しているスンミンが「消えてくれ」というセリフを言う場面がある。見る人の胸を痛ませたこのシーンは、文科部の前で撮影された。このシーンは、過去の二人が最後に会う場面でもある。こうして放送局や講義室など、校内一帯で多くの分量を撮った映画なだけに、再び学校を訪ねたときは、校内を歩く学生に聞けば、誰からでも撮影地についての説明を聞くことができた。ここ慶熙大学の学生は、しばらくは『建築学概論』の感動と思い出を吟味しながら、ロマンのキャンパスライフを楽しむだろう
     
     
    3 設計事務所、クラフト
      

    映画の冒頭に、現在のソヨン(ハン・ガイン)が現在のスンミン(オム・テウン)の建築事務所を訪ねる。『建築学概論』という題名からして、映画の中で建築事務所は非常に意味のある空間に違いない。そして、成人した二人の男女が再会する空間でもある。建築事務所として撮影された場所は、監督の友人の会社で、龍山区漢南洞に位置する設計事務所クラフトだ。ユニークな内装とフィッティングルームを連想させる会議室は、オリジナルのアイデアが印象的な空間でもある。住所は、漢南洞ではあるが、場所的には梨泰院の繁華街の近くに位置している。
     
     
    4 ワインバー Bar153
     

     
    映画で現在のソヨン(ハン・ガイン)と現在のスンミン(オム・テウン)がワインバーで待ち合わせをするシーンがある。ソヨンは家の設計を依頼してから初めてプライベートで会うのだから、プレゼントにネクタイを買っていく。しかし、思いがけなく彼女がいるということを聞かされる。このシーンは、「ガーデンプレイス_光化門」の中の「Bar 153」で撮影された。「ガーデンプレイス光化門」は、「都心の中の憩いの場、映画のような出会い」というコンセプトで、ピリピリした毎日を送る都会人に、ほっとくつろげる憩いの場や文化的充電所を提供する空間だ。一つのビルに劇場やイタリアンレストラン、ワインバーもあって、古宮や博物館、清渓川にも近く、都心の真ん中に位置するカルチャーコンプレックスとしての役割を果たしている。さまざまな映画やCMの撮影、映画祭関連のイベントや企業イベント、パーティー企画など、場所の貸し出しを通じてさまざまな文化イベントが行われている。詳細はホームページで確認できる。
     
     
    ホームページ) www.gardenplace.co.kr
     
    問い合わせ) 82-2-734-1189
     
     
    5 フレイザープレイス・セントラル・ソウル
     
        
    離婚した現在のソヨン(ハン・ガイン)が一人で暮らす、シンプルな内装が印象的な空間は、フレイザープレイス・セントラル・ソウルで撮影された。フレイザープレイス・セントラル・ソウルは、旅行者や家族連れの顧客に、自分の家のような居心地のよさと上質のサービスを提供するレジデンスだ。
     
     
    フレイザープレイスは、顧客の趣向に応えるために、スタジオからペントハウスまで254室のさまざまな客室を備えている。また、長期滞在するゲストや短期滞在のゲストが生活するのに不便さがないように、客室には複数の寝室と広いリビング、そしてダイニングキッチンを備えており、従来のホテルとは違うサービスを体験できる空間だ。映画やドラマで高級なオフィスマンション設定の撮影場所を求めているのなら、ここをお勧めしたい。ゲストの予約スケジュールや利便性が優先されるが、適切な使用料を協議した上で撮影が可能だ。しかし、客室に泊まっている長期ゲストもいるため、スケジュールの綿密な確認が必要とされる。
     
     
    ホームページ)www.fraserplace.co.kr
     
    問い合わせ)82-2-2220- 8888
     
     
     
    映画『建築学概論』を観て、多くの人は初恋を思い浮かべ、切ない気持ちで映画館を出る。刺激的でない題材、普通過ぎる初恋の物語が映画化されるまで10年もかかった。しかし、その刺激的でない映画が人々の感性を刺激し、大ヒットを記録した。一本の映画が数百万人もの観客に淡い初恋を思い浮かべさせた。これからもしばらく、この映画は私たちの胸をときめかせてくれそうな良い予感がする。
     
     
    出所_映像ソウルブリーフィング(ソウルフィルムコミッション)
     
    文_ソ・ヨン、チョン・ジェヒ(ロケーション支援チーム)
     
    写真提供_ミョンフィルム、フレイザープレイス・ソウル 撮影_ソウルフィルムコミッション